お金はどうやって準備する?

多くの場合、住宅ローンを利用して用意するのが一般的です。しかし、頭金や諸費用は、自己資金で用意しないといけません。
住宅取得資金全額を融資してくれる金融機関も実際にはありますが、ローン返済の負担を下げる上でも、頭金や諸費用は物件価格の20%~30%を自己資金で賄うのが望ましいといえます。

ですので、早い時期から「財形住宅貯蓄」等を利用するなどして定期的に積立をしていくことが大事です。住宅取得後生活をイメージして、住宅ローン返済の予行演習と考え、早期にはじめることをオススメします。また、親からの贈与・借り入れで準備する方法もあります。最近、親から子や孫への資金移転を進める国の政策で生前贈与の有利な制度もありますので、そういった制度を利用することも検討する必要があります。

では、次に最も過大になる住宅ローンを選ぶ際、どのようにしていったら良いのでしょうか?
住宅ローンは長期で返済していくことになるため、わずかな金利が返済総額に大きく影響します。返済期間トータルで見て、金利が低くなるように考えていかないといけません。それぞれの商品の特徴をよく把握した上で、自分に合ったものを選んでいく必要があります。
以下に住宅ローンの種類をまとめてますが、このように金利タイプ・住宅ローン商品の供給元・返済方法によりさまざまな種類があります。現在ではこれらの掛け合わせにより5000種類を超える住宅ローンがあると言われています。その中から自分に合ったローンを探すのは、困難ですので、住宅ローンの専門家のアドバイスやコンサルティングが不可欠になってきています。

住宅ローンの種類

(1)金利タイプによる住宅ローンの種類

●固定金利型
借入申込時又は契約時に全返済期間の適用金利が決まるタイプ。全返済期間の適用金利が一定のものと、返済途中で金利が変わる(例:当初10年間と11年目以降)2段階の金利のものがあるが、どちらも借入れ時に総返済額が確定している。

●変動金利型
市場金利の変動に伴い、返済途中でも定期的に金利が変動するタイプ。原則として半年に1度、短期プライムレートの変動に応じて適用金利が変わる。5年毎に返済額の見直しが行われ、金利が上昇した場合、返済額が増加する。

●固定金利期間選択型
当初5年間は金利○○%」といったように、返済期間中の一定期間は金利が固定されるタイプ。固定金利期間終了後は、終了時点の変動金利型又は、再選択した固定金利型(期間選択型を含む。)となる。

  メリット デメリット
固定金利型
  • 全期間の返済額を確定できるので、長期にわたるライフプランがたてやすい。
  • 低金利時に借りると全期間にわたって低金利のメリットを享受できる。
  • 高金利時に借りると、将来にわたり高金利の返済額が確定してしまう。
変動金利型
  • 借入時の金利は一般的に固定金利型より低い。
  • 一般的に金利低下局面では、返済額が減少する。
  • 借入れ時に将来の返済額が確定できず不安が残る。
  • 一般的に金利上昇した場合、返済額が増加する。
  • 金利が一定以上に上昇した場合、「未払利息」が発生する恐れがある。
固定金利期間
  • 一定期間の返済額だけ確定できる。
  • 固定金利期間終了後の返済額が確定せず不安が残る。
  • 固定金利期間終了後金利が上昇した場合、返済額が増加する。

(2)住宅ローンの種類

公的ローン 財形住宅融資 財形貯蓄を1年以上継続し、貯蓄残高50万円以上ある方を対象とした融資。(財形貯蓄残高の10倍の額で最高 4,000万円までの融資) 当初5年間は融資申込時の金利(「借入手続きのご案内」に記載されている金利)が適用になり以降5年経過ごとに金利の見直しが行われる仕組み
貯蓄先は、銀行・生損保会社・証券会社等どこでもかまいません。貯蓄先が複数の場合は、いずれかの積立期間が1年以上あれば、各残高を合計した額を対象にすることができます。また、残高は「借入手続きのご案内」が届いてから、自己資金として使用できます。
自治体融資 自治体により異なり、設けていない自治体もある。物件や借入限度額には、一定の制限があるが金利面は、比較的有利なものがある。
民間ローン 銀行などのローン 銀行・信用金庫・信用組合・労働金庫等のローンで、借入条件はそれぞれの金融機関できめられており、商品性も多様化している。
JAのローン JAの組合員向けのローン。農家以外でも組合費を納めて準組合員になれれば利用できる場合がある。
生保のローン 生命保険の加入者を対象としたローン。
ノンバンクローン 住宅ローン専門会社・信販会社・クレジット会社などのローン。
最近は、ハウスメーカーなどがモーゲージ・バンカーを設立し、長期固定金利型のローンを提供している。
フラット35 住宅金融支援機構による住宅ローン債権の証券化の仕組みを利用した長期固定金利型のローン。金利は金融機関によって異なる。融資額は物件価格の100%まで、最高8000万円の融資が組める。但し、住宅の質を確保するため住宅金融支援機構が定めた技術基準をクリアする必要がある。保証料は不要。また、繰上返済時の手数料も無料。
詳しくはフラット35のホームページでお確かめください。

(3)返済方法からみた住宅ローンの種類

  返済方法 その他
元利均等返済
  • 毎回の返済額(元金+利息)が一定となる方法。
  • 返済額が一定なので長期にわたるライフプランがたてやすい。
  • 元金均等返済と比較すると融資(借入金)残高の減り方が遅く利息が嵩み、総支払額は多くなる。
元金均等返済
  • 毎回返済する元金が一定で、残元金に対する利息を上乗せして支払う返済方法。
  • 毎回の返済額(元金+利息)は、返済が進むにつれて少なくなっていく。
  • 元利均等返済と比較すると、融資(借入金)残高はより早く減少し、総支払額は少なくて済む。
    元金均等返済よりも、当初の返済額が多いため、必要月収が高くなり、融資額が少なくなってしまう場合もある。
    ※ 一部金融機関では、取扱不可
毎月返済・
ボーナス併用返済
  • 毎月のみ支払っていく方法或いは毎月に加えてボーナス時に多く返済していく方法を選択する。
  • 返済額を計算するときは、融資額全体を毎月返済分とボーナス返済分に分けてそれぞれ計算する。
  • 「ボーナス併用返済」の場合のボーナス部分は、フラット35や住宅金融支援機構財形融資の場合は、融資額全体の40%以内。
  • 融資額全体の50%以内となっているケースが多い。

1.元利均等返済

毎回の返済額(元金+利息)が一定となる方法。

2.元金均等返済

毎回返済する元金が一定で、残元金に対する利息を上乗せして支払う返済方法。

(参考)住宅取得時の諸費用

大きく分けて「土地に関する諸費用」「建物に関する諸費用」「住宅ローンに関する諸費用」の3つの諸費用があります。

・土地に関する費用の目安
  内容
仲介報酬 物件価格の3%程度。
土地移転登記費用 固定資産税評価額と筆数に応じて異なる。また、司法書士によっても報酬が異なる。
収入印紙 契約金額により異なる。ただし、減税対象あり。
固定資産税の清算金 売主に対して買主が負担すべき購入年度の税金を支払う。
・建物に関する費用の目安
  内容
建築確認・検査申請料 建築時に必要。
敷地調査費用 建設前に調査を行い、面積や隣接地との関係を調査する費用。
地盤調査費 購入後に買主が行う。
地盤改良費 調査の結果、改良が必要となる場合に買主が負担する。
建物解体費用 既存の建物があり、買主負担と契約で決めた場合に負担要。
地鎮祭初穂料 着工時に行うと決めた場合にかかる費用。
収入印紙 設計契約や工事請負契約、追加工事契約時にかかる。
近隣対策費 工事車両の駐車場代や、ご挨拶にかかる費用。
住宅性能評価申請・
検査料
住宅性能評価証明書を取得する場合にかかる。
長期優良住宅申請費 認定優良住宅を証明する際にかかる。
適合検査費用 フラット35の適合検査にかかるが、他の検査で代用できることあり。
建物表示登記費用 司法書士によって報酬が異なる。
消費税 契約金額が対象となる。
引越費用 引越し業者に依頼する費用。
仮住まい費用 建て替え時などにかかる。
・住宅ローンに関する費用の目安
  内容
融資事務手数料 提供する金融機関により料金体系が異なる。
保証料
つなぎ融資費用 土地代や中間金が必要で、竣工時一括のローン商品を利用する際に利用する。
つなぎ融資金利
団体信用生命保険料 フラット35の利用時に、年払いでかかる費用。
火災保険料 金融機関や保障範囲により金額が異なる。
瑕疵担保保険料 利用する金融機関により料金体系が異なる。
地盤保証料 提供する会社により料金体系が異なる。
完成保証料
抵当権設定登記費用 司法書士によって報酬が異なる。
収入印紙 ローンの契約形態や契約金額によって異なる。
融資手続き代行料 利用する不動産業者や建設会社によって料金体系が異なる。