子供の教育費負担が難しくなってきた時・・・

子どものいる家庭にとって、教育費は人生において、住宅とともに大きな支出です。教育費が最もかかる時期は、子供が高校生・大学生の頃で、この時期は親世代もまだまだ現役世代で他の支出と重なってきてしまうことが多いです。ある意味、人生において最も支出が多くなる時期とも言えます。幼少期より学資保険に加入していたり別途貯金したりしていても、単年度では収入よりも支出の方が上回る時期が数年続き、なかなか貯蓄ができない状態で、預貯金から持ち出すことになりがちです。

ましてや、住宅ローンの返済をしながらの教育費負担は相当キツくなります。そのため、住宅ローンを借り入れる時には、この教育費の予測も見込んだ上で、借り入れることが大変重要となります。教育費の負担は、元々の生活では必要のなかったお金が、ある一定の時期になると急にまとまって必要となります。そのため、元々の生活で毎年大きな貯金は出来ていないけど単年度で赤字になっていないという理由で、計画を立てていないと急に訪れた教育費のピークの時期に対応できなくなるのです。

では、実際に教育費の負担が困難になってきた場合、どうしていけばよいのでしょう?

家計の見直し

まずは、「家計の見直し」をして、家計の中で削減できるところを徹底して洗い出すことです。外食比率が高くなっていないか、光熱費のムダはないか、車は無駄な使い方になっていないかなど、綿密に見直すべきです。そのことで新たな家計での生活に自らを慣れさせていくことで、教育費負担から開放される、老後にむけての時期に、貯蓄できる家計の体質を作ることができます。

生命保険の見直し

次に「生命保険の見直し」です。進められるがまま加入していたり、実際加入している保障内容を把握していない場合も結構あり、見直せば、大きな保険料の削減になることも少なくありません。また、生命保険は、万が一の時の家族の死亡や入院のために掛けているものです。万が一でない事への支出を一定期間、現実の家計に振り返るのも検討すべきかもしれません。必要以上に多額の保険に加入していて、万が一世帯主が死亡した場合の方が金融資産が多くなってしまっているご家庭も少なくありません。

住宅ローンの見直し

次に忘れてならないのは、返済中の「住宅ローンの見直し」です。一度、住宅ローンを借りて返済していると、そのまま返し続けるのが当たり前だと思っている方が大勢いらっしゃいます。しかし、借り換えを進めることで、月々の返済額を削減でき、完済に向けての返済総額を大幅に削減できる場合もあるのです。多くの金融機関の住宅ローンの中から人それぞれにあった、効率的なローンを公平な立場で探し出すモーゲージプランナーに相談してみましょう。

これらの対策で家計のキャッシュフローを見直しても、教育費の捻出が難しいときは、「奨学金」の利用を検討しましょう。日本学生支援機構の奨学金の場合、第一種と第二種があり、第一種の方は無利息で、第二種は利息付きです。いずれも子ども本人が借りて、卒業後、10年超で返還していく制度です。最近は利用する学生も増えてきているようで、今では、大学生の約40%が利用している状況です。
また、最終的に300万円まで貸し付けてくれる「国の教育ローン」の利用も考えられますが、あくまで親世代としては返済していかないといけないので、将来に返済原資が見込めない場合、キャッシュフローの改善は見込めません。将来のキャッシュフローを見極め、慎重な判断が必要です。